以下ネタバレ感想注意です。
原作読んで色々わかりました。
アニメはあれですね。
原作の登場人物と物語の流れを踏襲した
オリジナルストーリーという捉え方でOKですよね?
製作側の意図が恣意的であるといっても過言でもないと思います。
【Kについて】
特に、Kについては恣意的すぎる気がしましたw
私の昔の記憶は結構あたっていたようで
今回原作を読み返しても、アニメのK像はついぞ頭に浮かぶことはありませんでした。
まず、外見。容姿。
先生より女性に好まれる容姿であるとの記述や
坊主に近い髪型であることが原作から読み取れますが
アニメでは風来坊のような、快漢のような容姿です。
これは、アニメという視覚に訴える媒体を考えれば
当然の演出といえばそんな気もしますが。
そして、何よりも中身です。
アニメの方はちょっと人間味が強すぎる気がします。
K視点の方は言わずもがな。先生視点のKにおいても、です。
もっと、私たち凡人にははかりかねるような…、Kはそんなイメージなんです。
これは、原作を読み終わった今もそう感じでいます。
何よりも、アニメでは失恋、親友の裏切りで
自殺したように捉えられる向きが強いような気がします。
原作ではもっと個人的な理由、個人の生き方にも
その理由のウェイトが置かれているように私は感じました。
わかり易さでいえば、アニメの演出のほうが良いわけですので
これは余計な私の感想なわけですが(全部余計な感想というのは内緒)
また、原作を読んだことにより
アニメのK視点は大変面白く素晴らしい試みだと改めて思いました。
正直、私のK像とはかけ離れすぎていたわけですが
あれは平行世界のKだと思えば、それはそれでとても楽しい。
また、一種のKの捉え方でもあると思うのですが
これは、私には到底ない捉え方であるので、そういう意味でも興味深いです。
個人的には狼狽するKは全く想像できないわけなんですけれども。
アニメの前半の先生視点と、後半のK視点を足して二で割ったのが原作なのでは?
・・と思ったりもしたのですが、やっぱりちょっと違いますね。
どちらも、原作と同じだったり異なったりする点がバラバラで、やはり別物です。
Kの遺書の「今年の夏は温かかった」はアニメオリジナルなんですね。
これにより、若干LOVE要素が強くなった気がします。
やはり、製作側が狙ってますね。巧いこと考えるなーと感心しきりです。
【お嬢さん=妻】
これも、アニメの方は恣意的なキャラクターであるといえると思います。
K視点ではなく、先生視点にしても
お嬢さんの腹黒さはやはり目につく所だと思います。
原作もそのような点は散見されるのですけれでも
やっぱり、アニメ(K視点)>アニメ(先生視点)>原作
だと思うのです。
アニメではお嬢さんの顔が朱色に染まる場面があるだけ、そう感じるのだと思います。
また、先生視点の「なぜ声をかけてくれなかったのか」もそうですし。
K視点にあっては、Kと寝て、さらには駆け落ちしようとしてますしねw
(それが真意であったのか、Kをからかっていただけなのか、好奇心だけだったのかは
私には未だによくわかりませんが)
この青い文学は、人間失格でも満開の桜でもそうでしたが
男女間の生々しい描写があって、すごい興奮してしまいます。
「寝取られ」属性のお方にはわかって頂けるかと思いますがw
総じて戦前の純文学には生々しい描写が多く、そのリアルさにのめり込んじゃうのですが。
閑話休題。ではなく、さらに横道に。
またいつもの愚痴なのですが
女性の思考なんてのがやっぱりわからないんです。
『とらドラ』のみのりちゃんしかり。
作品に出てくる女性に会えば会うほど、本当によく解らなくなるというのが本音です。
【先生】
先生もやっぱり、アニメの方が恣意的にマイナスイメージが強いですね。
いやもう、登場人物四人全員が原作よりマイナスイメージが強いw
原作のが比較的肯定的に先生を受け入れられるというのは
やっぱり、遺書の前に「私と先生」「私と両親」なる話があって
先生に触れる機会が多かったからだと思います。
あのアニメは結局一時間ですからね。本当にクライマックスの一部ですよ。
美味しいとこどりなわけですが、やはりそこにはそれだけの理由があるわけで。
【最後に】
以上のように、アニメ「こころ」は、原作と別物だといって良いでしょう。
PCゲームの「AIR」と、劇場版の「AIR」ぐらいの差でしょうかw
アニメだけで原作を評価するのはやはりタブーですね。
原典にあたるという基本的で大事なことを改めて感じたわけです。
原作は原作でもっと良いという意見はあって然るべきだと思いますが
それにしても、今回のアニメはそれと同等の別物として素晴らしい。
何よりも解りやすく、噛み砕いて提供してくれたのが有難かったです。
このアニメに興味を持って、原作を読んだ人は
また違った感想なりを必ず抱くでしょうし、
そのような意味で素晴らしい作品だと思います。
興味を持たせるという意味で成功していると思います。
第一に私が次の日、「こゝろ」を買いにいきましたしねw


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